こんにちは!営業部長の迫田です。
みなさま、省令準耐火構造という言葉を耳にしたことはありますか?
なんか難しそうな言葉 (-_-;)
省令準耐火構造とは、火災で燃え広がりにくい木造住宅のことなんです。
詳しくは後ほどご説明をしますね。
へぇ、木造住宅で火災に強い家ですか。
今回は、そんな省令準耐火構造の家を建てるメリット・デメリットについてお話をしますね。
目次
省令準耐火構造ってどんな家?

そもそも、この省令準耐火構造って何ですか?
省令準耐火構造は、通常の家よりも火災に強い仕様の住まいのことで、
住宅金融支援機構が定めた省令準耐火構造の仕様に基づいて建設された木造住宅のことなんですよ。
具体的には、次の3つの目的をクリアするための仕様なんですよ。
■外部からの延焼防止
隣家などからのもらい火での延焼拡大を防ぐ目的です。
火の粉のよる建物の延焼防止のため屋根や外壁、軒裏などを耐火性の高い不燃材料などを使用した構造にする必要がある。
■各部屋での防火
万が一、住まいで火災が発生したとしても一定時間は部屋から火が出ないように、壁や天井に火に強い石膏ボードなどで防火被覆を施し、火災が燃え広がる時間を稼ぐ。
■他の部屋への延焼遅延
さらに、火が壁の中や天井裏を伝って他の部屋へ燃え広がってしまわないように、火の通り道となる壁中や天井裏に木材や断熱材などのファイヤーストップ材で延焼の防止をする。
ちなみに、これが「ファイヤーストップ材」

つまり省令準耐火構造とは、「火」が燃え移るのを防止して、避難や消火活動のための時間を稼ぐための家の構造になります。
なるほど、火災の被害拡大の時間を稼げる家なんですね。
そう、火災に対してとても有効だと言えるね。
そして、この省令準耐火構造の家を建てると火災保険料が大幅に安くなるんだ。
省令準耐火構造は、なぜ火災保険料が安くなるの?

結論から申し上げますと、木造住宅を省令準耐火構造にすると鉄骨住宅と同じくらいの火災保険料になるからです。
火災保険料って木造と鉄骨では異なるんですか?
まず前提として、火災保険料は建物の構造(木造・鉄骨・RC)で保険料が異なります。
これは、火事が発生した時の火災の被害が建物の構造によって変わるからです。
木造住宅の場合、火災のリスクが他の構造(例えば鉄骨造)と比べて高いとみなされるため、保険料は割高です。
木造住宅(H構造):保険料が高い
鉄骨住宅(T構造):保険料が安い
やっぱり、「木造」は火災にはデメリットとして評価されるんですね。
これは木造住宅の宿命です。
しかし、省令準耐火構造の場合は柱などの構造材が木造であってもT構造(鉄骨住宅)と評価されます。
へぇ、そうなんですね。
つまり省令準耐火構造の家は鉄骨住宅と同等の耐火性能を有していると評価されるため、火災のリスクが低いとみなされ、火災保険料が割安に設定されています。
木造住宅を省令準耐火構造にすると鉄骨住宅(T構造)と同じく約半額くらいになる。
そういう理由なんですね。
木造住宅は火災保険料が鉄骨住宅などに比べ割高
省令準耐火構造の木造住宅は、火災のリスクが低いと評価されるので、鉄骨住宅並みに火災保険料が割安になる
ここで一つ「木」についてトリビアを。
たしかに木は鉄に比べると火に燃えやすい。
しかし、木造は崩壊しにくいという特徴も備えています。
というのも、火災が発生した際に、木は表面が燃えて炭化し、内部の芯まで火が届くのに時間を要します。
つまり芯が残るので、強度が保たれ、変形や崩壊によるリスクが低いのです。
逆に、鉄は燃えにくいものの、内部の熱がすぐに伝わり、熱のせいでぐにゃりと変形して強度を失ってしまいます。
つまりまとめると、
木は燃えやすいが、熱伝導率が低く、内部の芯まで燃えにくい
鉄は燃えにくいが、熱伝導率が高く、内部にまで熱が伝わりやすい
こういった素材の特徴から、
木は確かに火に燃えやすいけど、木造は火災に弱いと言い切れないことがあります。
省令準耐火構造のデメリット!建築コストがアップする!?

火災に強く、火災保険料が割安になる「省令準耐火構造」
一見、いいこと尽くめに写りますが、
省令準耐火構造にするにはさまざまな基準を満たさなければなりません。
弊社は、省令準耐火構造が標準仕様ではないので、オプション工事になります。
建築費用のアップがデメリットですね。
でも、実際にどのくらい金額が上がるんですか?
内訳としては、大工さんの手間代+材料費がほぼ全て。
家の大きさによっても異なりますが、およそ28万円~35万円ほどのコストアップに。
最近ではハウスメーカーでは省令準耐火構造が標準仕様になっている会社も見かけますね。
当社でも省令準耐火構造仕様の標準仕様化については前向きに検討段階です。
ただし、省令準耐火構造で注意喚起をすると、
省令準耐火構造には、検査がありません。
省令準耐火構造には、法的な検査が義務付けられていないので、建築確認図面の仕様が省令準耐火構造を満たせていればOKという事になります。
省令準耐火構造とうたっておきながら、手間を惜しんでキチンと施工していないケースが稀にあると聞いたことがあります。
しっかりと施工してもらうように、建築会社さんへはお願いしてきましょう!
省令準耐火構造のメリット!実際、火災保険はどのくらい安くなる?

では実際どのくらい火災保険料が安くなるのか?
比較検討をしてみましょう。
参考にする火災保険は、「セコム安心マイホーム保険」
物件は、弊社の桜井市の「粟殿モデルハウス」
ここでは、基本保証として「ワイド」の補償、それに地震保険料を加えた内容で比較しましょう。
「粟殿モデルハウス」は、実際は省令準耐火構造の家ではありません。あくまで、「省令準耐火構造の家だったら」というお話です。

上記の条件で、一般木造住宅と省令準耐火構造の10年一括払い(地震保険は5年分)で火災保険料を比較しましょう。
一般木造住宅の場合

省令準耐火構造の場合

10年一括払いで、
一般木造住宅は、336,650円に対して
省令準耐火構造は、169,330円
差額は、167,320円
わぁ、火災保険料が本当に半額になりましたね。
これは10年間の支払金額だから、
住宅ローン35年の期間で考えてみると、
単純計算でも約40万円ほど。
かなり大きな金額になるね。
たしかにこれなら建築コストはアップするけど、長い目で見れば、火災保険料の割引で費用負担をカバーできそうですね!
まとめ

いかがでしょうか。
今回は、火災保険料が割安になる「省令準耐火構造」について学びました。
家の構造って本当に色々とあるんですね。また一つ勉強になりました。
それに火災保険料があんなに安くなるなんて、驚きです!
大工さんの手間代+材料代がかさむので、一般木造住宅より建築コストが割高になりますが、
その分、火災保険料料がおよそ半分になりますので、
35年という期間を考えれば、初期投資を回収できそうですね。
省令準耐火構造は、初期費用がデメリット
けど、35年間の住まいの火災保険料でカバーできる
なにより、火災に強い木造住宅を手にできる!
省令準耐火構造について、さらに詳しく聞きたい方は、ぜひ当社にお問い合わせくださいね。
一緒に楽しい家づくりをしましょう!
この記事が皆さまの素敵な家づくりの参考になれば幸いです。